二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

2022-01-01から1年間の記事一覧

浮舟

イヤホンをしたのはいつぶりだろう。こんな贅沢があったのか。目を閉じるともっと贅沢な時間が流れる。毎日あっという間に終わるじゃない?こうして音楽を聴くだけの時間って、今のわたしには無いのよ。作らなきゃないの。前のわたしなら作らなくてもあった…

馴染む視界

午前一時。皿を数え続けるお岩さんのような右目が熱を持ちじわじわと私を攻撃する。右側だけ別人の風貌になった私の顔。まるで瞼にナメクジが張り付いているようだ。最後にナメクジを見たのはいつだろう。きっと思い出せないくらい昔なの。だってね、記憶を…

ゴミや、お前はゴミなんや

物騒なタイトルだけれどそこに意味なんてない。しょうがないじゃん頭に浮かんできたんだもん。それにしても物騒だわ。水分の多くなった目でソファに腰掛ける。肩で息をしている。結構アルコールが回っているのだろう。いま、ちょっと気持ちいいです。ごめん…

誰の腕枕だって同じだからいらない

腕枕とは男性の承認欲求でありされる側の女は全然気持ちよくない。わたしは優しいから腕枕させての一言には本人の希望に寄り添ってあげるのだけれど、ゴタゴタしている男の腕よりもふかふかな枕が好きなのだ。数分は付き合うけれど居心地が悪いから男の腕の…

ぺろり

顔が熱い。この時間帯はいつもそう。身体がアルコールに侵食され指先は赤くなっている。目ににじむ涙。エアコンで涼しいはずの部屋は、わたしから発せられる熱で気温が上がっているようにも思えて。人間の本質ってなんだろう。例えばわたし。酒に酔っている…

ボーナスは辞めさせない呪いの

聞きたいのでしょう?75万円なり〜。でも色々あり半分は持ってかれる。厳しい〜生きるって厳しい〜。生きてるだけでお金は請求されるのに、働いたお金もどんどん持ってかれるよ。わたしなんてこんな額だけれど、もっと稼いでいる人はもっともっと引かれるわ…

東京、35度

薄暗い部屋で冷たい風にあたっているわたしとは遠い世界のようで、でもこの世界にわたしはいて、外に出るか出ないかでここまで違う。外が暑い時、涼しい部屋でタオルケットにくるまるのが好き。ベッド横のサイドテーブルにはストローを刺した缶チューハイ。…

痴漢、ナンパされない為に

都心に住んでいる女性なら誰しも痴漢、ナンパに苦労したことがあると思うの。上京したての7年前、わたしは丸ノ内線の一斉乗車の列に並んでいたのだ。電車が到着し、物凄く多くの人が降りてきた。そんな時、わたしのコートをたくし上げ、おしりをギュギュギュ…

捨てられないもの、人でもいい?

お題「捨てられないもの」捨てられないものはなにかと聞かれれば、わたしは夫と答えるだろう。交際中から喧嘩ばかりしているの。同棲中に喧嘩をして、3ヶ月間口を聞かなかったこともあるけれど、2年前に結婚して、わたしの隣にはむちむちの赤ちゃんが、ふえ…

部屋とアルコールとわたし

頭の中をたくさんの言葉が飛び交う。まるでいろんな人が住んでいるよう。文字にしてしまうと相当おかしな人のようだけれど、誰だって、一度は経験あるでしょう?今日のわたしの頭の中は黒い。真っ黒。鼻から、細く長ーいため息。口を開くのも面倒だ。テレビ…

あかいクレヨン

どんないろがすき? で始まる童謡。ふとテレビから流れてきたこの歌を聞いていた。面白いもので、映し出される歌詞を見なくても唇が勝手に動くのだ。母がわたしに歌い聞かせてくれた、たくさんの童謡は、今でもわたしを楽しませてくれる。物心がつく前からよ…

押し込んだ気持ちは涙が浄化してくれる?

疲れてしまったんだ。結構前からそう。産後夫に嫌悪感を抱くって言うでしょう?わたしも。どんどんパートナーから憎い存在へと姿を変えてしまったの。わたしのフィルターがおかしいのか、それとも度数の合ったメガネのせいか。どちらにせよ焦点が合わないの…

歪んでこそ美しく

右目から一粒溢れた涙。アルコールが回った私の脳内で、なにがこの涙を押し出したのかを考える。私は今ベッドの上に横たわりチューハイを飲んでいる。アルコールに侵食された私には除湿器の轟々鳴る音も今ならとても心地よいのです。なのに何故、涙?湿度が…

抱きしめる

放った言葉を掃除機のように吸い取ることが出来たのなら、私はもう少し生きやすかったのかもしれない。人の心は自分が思うより脆くて、強くて。どんなに笑顔に見えて受け入れたように見えていても、あと一言で深い谷の底に堕ちてしまうの。その背中を押すこ…

幸せの渋滞

オレンジの光に包まれた温かい部屋のベッドの上で、私の愛おしいが詰まった彼のおでこにキスをする。とろとろの幸せがどんどん溢れて胸がいっぱいになる。こんなに尊い時間があることを知れた私はなんて恵まれているのだろう。私の一部だった君が一人の人間…

臨月で中本の北極食べてた私なかなかファンキー

ぶほっ!とむせながら初めて北極啜った日、私は気が付いた。これは、自分との戦いなのだ。中本と出会ったのは数年前で、当時近所だった東池袋へ週一で通っていた。店の店員の「辛くないんですか?」の一言に「美味しいです」と、涼しい顔で答えていたけれど…

胸がじゅわじゅわ(心臓発作ではない)

とろとろ、ふつふつ、うーん、じゅわじゅわが正解かしら。こんなに幸せを感じているのって人生で初めて。それくらい大きな幸せの中にいるのは私で、去年の私には考えられなかった感情がどんどん湧き上がってくる。こんな気持ちになるなんて。自分の命よりも…

雪のない冬とか冬じゃないからね

甘ったるい。私に入ってきた甘ったるい液体。甘いものが特別好きな訳ではないけれど、頼んでしまうホワイトモカ。口に含むとこれこれって身体が言うようになった。私にとって寒い季節は大きな動きのある季節で、誕生日も冬だしいやいやそこは関係ないのかな…

分かち合うことの難しさ、無視することの簡単さ

頬が赤い。500mlの缶チューハイ1本と350mlを2本。今の私はこんな酒とも呼べないジュースのような酒で酔う身体になっているようです。久しぶりのアルコールは私の尖った部分を程よく丸くしてくれる気がするの。もやがかかっているように視界と思考が粗くなる…

君の目に写る私は何色なのかな

いつも思っていた。仕事も食事も楽しいことも、生きてるからするの。でもどっちでもいいかなって。痛いのは嫌だけど死んでもまあいいやって。疲れたし死んじゃうのもいいな、ここにあるお酒の瓶、全て飲み干してこの薬も一緒に流し込んでみるのもいいかな、…

どうしてこうなったのか、思い出せないの

起きてすぐ感じたのは酒の味と吐き気と頭痛と下半身の寒さだった。布団をめくると下着を身に着けていなかった。どうしてこうなってしまったのか。記憶の断片を手繰り寄せる。ああそうか、あそこまでは記憶あったのにな。後悔の念しかない。お酒の失敗って情…