二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

あかいクレヨン

どんないろがすき? で始まる童謡。ふとテレビから流れてきたこの歌を聞いていた。面白いもので、映し出される歌詞を見なくても唇が勝手に動くのだ。母がわたしに歌い聞かせてくれた、たくさんの童謡は、今でもわたしを楽しませてくれる。物心がつく前からよく歌ってくれていたのだろう。今はわたしが、腕の中の小さい赤ちゃんにこの歌を歌う。じっとこちらを見つめる、黒くきらきらしたその瞳はとても綺麗で、嬉しそうにわたしの服の袖を握る。こんな些細なことで、涙が溢れそうになる。感じたことのない感情で埋め尽くされ、満たされ、あたたかくなる。こんな赤ちゃんに敵なんていないのだけれど、どんな敵が来ても、何が起きても、腕の中の彼を絶対に守るんだ。わたしはその為ならなんだって出来る。そんな自信が湧いてくるのです。女は弱し、されど母は強し。わたし、この言葉の意味を、体感しているの。