二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

選ばない、選んでいたかもな未来

選択肢なんて腐る程あった。どうにでもなった。ただ、選ばなかっただけ。こちらを選んでいたらと思い返すいくつかの道に思いを馳せるのも、お酒がまわった時にはいいんしゃない?24才のわたしなら、しつこく差し出された手を取り一人暮らしを始める。もしかしたらなし崩しに白金高輪の家に住んでいたのかもしれない。仕事をしながら視界に入る彼を横目で追い、仕事終わりには一緒に六本木か麻布十番のあのお店で食事して、細い目を更に細くさせていたのかもしれない。真剣に付き合いたがっていた彼に合わせて、結婚も考えたかもしれない。これは現実だけれど、どんなに会わないようにしても、電車の中、関係のない街で会ってしまうから、少しだけ運命も感じたかもしれない。ほんの少しね。わたしの事をオフィシャルにしたかった年上の顔が薄いあなたと、手の平で転がして楽しんで、気晴らししていた当時のわたし。