二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

ある夏の日

わたしはきっと札幌のあの部屋で、赤ワインを空けている。どす黒く着色された唇を舐め、映画を観ている。部屋は真っ暗で、ラベンダーのキャンドルの灯りだけ。壁に映る自分の影が好きだった。ふわふわの白いカーペットは酔いが回った身体にはちょっと熱くて、硬すぎるフローリングに横たわるんだ。夏だから窓は開けっぱなし。でも大丈夫、ここ4階だし。ベランダもないし道路沿いだもん。でも物音にはビクビクする。1人の時ってちょっとしたことでも怖くならない?そろそろ疲れたからキャンドルの火を消してベッドに横たわるの。天井を見つめぼーっとして、暑いから服は全部脱いで寝るの。誰もいない、わたしだけの部屋だもん。冷たいを追って何度も寝返りを打ち夢の中へ。目覚めるともう14時だし。なんか全部が面倒だし。友達と会うのも怠いし。何もしない1日の罪悪感に押しつぶされそうになりながら、また布団に潜り込む。