数年前の山下公園にいたあの頃のわたし
どんなに近くにいて肌を重ねても違くて、噛めば噛むほど味がしないガム。吐き出せばいいのに、口が寂しいから味がしないのに噛み続ける。そのうち本当に気持ち悪くなってしまって吐き出したの。でも靴底にひっついて、しつこいしつこいガム。見えないところで転がって、他の人の靴にへばりついて欲しいのに、わたしじゃなきゃダメなんだって。捨てても捨ててもしがみついて、警察のお世話になろうかとも思ったけれど、手練手管でゴミ箱へ。蓋がついた出てこれないゴミ箱だよ。さようなら、永遠に