二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

2023-01-01から1年間の記事一覧

ある夏の日

わたしはきっと札幌のあの部屋で、赤ワインを空けている。どす黒く着色された唇を舐め、映画を観ている。部屋は真っ暗で、ラベンダーのキャンドルの灯りだけ。壁に映る自分の影が好きだった。ふわふわの白いカーペットは酔いが回った身体にはちょっと熱くて…

ある夏の日

わたしはきっと札幌のあの部屋で、赤ワインを空けている。どす黒く着色された唇を舐め、映画を観ている。部屋は真っ暗で、ラベンダーのキャンドルの灯りだけ。壁に映る自分の影が好きだった。ふわふわの白いカーペットは酔いが回った身体にはちょっと熱くて…

死場所探してて三千里

死にたいって思った時に己が背負っている責任を放り出せない、なんとも世知辛い世の中でござりんす。あ、死のう。いいや今死んじゃお。がどんどん増えていって、いつでも死ねるのだけれど、わたし大人だからさ、残される子どものことを考えると行動に移せな…

選ばない、選んでいたかもな未来

選択肢なんて腐る程あった。どうにでもなった。ただ、選ばなかっただけ。こちらを選んでいたらと思い返すいくつかの道に思いを馳せるのも、お酒がまわった時にはいいんしゃない?24才のわたしなら、しつこく差し出された手を取り一人暮らしを始める。もしか…

数年前の山下公園にいたあの頃のわたし

どんなに近くにいて肌を重ねても違くて、噛めば噛むほど味がしないガム。吐き出せばいいのに、口が寂しいから味がしないのに噛み続ける。そのうち本当に気持ち悪くなってしまって吐き出したの。でも靴底にひっついて、しつこいしつこいガム。見えないところ…

右目涙の日

憧れ夢に見てたような。左目はお休みしているようです。疲れたよね、疲れたよねー。毎日毎日ありがとうございます。疲れたら休むの。当たり前な事なのに後回しにしてしまうの。よくない良くない。わかってるよ、わかっているの。すきだし、眠るの。でも物理…

わたしの肉の一部

色濃いから、人生って。だからね、考え事をしていると鼻水が出るのよ。これはね、これはかなり、オブラートに包んでいるの。毎日毎日眠る前に大事な赤ちゃんに伝えるの。大好きだよ、愛してる。ママの全部あげるよって。注ぐ愛がこんなにも、こんなにも優し…