二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

未練

のどからでは出ないが目で追ってしまうような、そんな感じ。日常から逃れたくて東京へ行ったあの日。何もかも上手く行かないのはここにいるからだと、そう信じたくて。最低限の荷物とともに上京したの。1人で全て始める自信はなくて、いや、私ならなんとかなるって本当は知っていた。けれど知らないフリをした。その方が楽だから。今こうして振り返る余裕が出来た。秋より呼吸できているのだと思う。

 

 

 

赤ちゃん

便器に顔を沈め床を叩いていた毎日から一変し、私の可愛いを詰め込んだ二つの命を眺める毎日。失ったものより新たに得た物の方が遥かに多いのに、時折寂しくなるのは何故だろう。二つの命は私のことが大好きで、私も彼らが大好きで愛おしくて、恋愛では到底得られるものではない、表現し難いこの感情に支配されている私が好きだ。難しい。子育てって勉強よりも仕事よりも、なによりも難しい。自分の匙加減で1人の人間の基礎を作ってしまうなんて、怖くない?私の話し方、態度、食べ方促し方によって、彼等の基盤が作られてしまうんだよ?そんな責任、背負ったことない。なんとかなるでしょう。子は勝手に育つなんて、なんて無責任な言葉なのだろうと考える。相手は人間なのだ。そんな簡単なわけがない。生きる上での道を踏み外しても良いけれど、人間としての自分と他人の尊厳を踏み躙るような、そんな生き方を絶対にしないように、他人を尊重出来るように、かと言って自分を過度に謙った考えはせずに。親として出来ることは彼等の土台を作ること。失敗して学ぶ。それもある。私もそおだったもの。でもね、それにはたくさんの成功体験や無条件で愛されることの安心があってこそだと思うの。絶対的な安心がある中で失敗や挫折するのと、満たされない中でのそれは全く違って。日々模索しているの。君たちにいろいろ伝えたい事はあるけれど、眠たいので一言。愛しているよ。世界で1番。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある夏の日

わたしはきっと札幌のあの部屋で、赤ワインを空けている。どす黒く着色された唇を舐め、映画を観ている。部屋は真っ暗で、ラベンダーのキャンドルの灯りだけ。壁に映る自分の影が好きだった。ふわふわの白いカーペットは酔いが回った身体にはちょっと熱くて、硬すぎるフローリングに横たわるんだ。夏だから窓は開けっぱなし。でも大丈夫、ここ4階だし。ベランダもないし道路沿いだもん。でも物音にはビクビクする。1人の時ってちょっとしたことでも怖くならない?そろそろ疲れたからキャンドルの火を消してベッドに横たわるの。天井を見つめぼーっとして、暑いから服は全部脱いで寝るの。誰もいない、わたしだけの部屋だもん。冷たいを追って何度も寝返りを打ち夢の中へ。目覚めるともう14時だし。なんか全部が面倒だし。友達と会うのも怠いし。何もしない1日の罪悪感に押しつぶされそうになりながら、また布団に潜り込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある夏の日

わたしはきっと札幌のあの部屋で、赤ワインを空けている。どす黒く着色された唇を舐め、映画を観ている。部屋は真っ暗で、ラベンダーのキャンドルの灯りだけ。壁に映る自分の影が好きだった。ふわふわの白いカーペットは酔いが回った身体にはちょっと熱くて、硬すぎるフローリングに横たわるんだ。夏だから窓は開けっぱなし。でも大丈夫、ここ4階だし。ベランダもないし道路沿いだもん。でも物音にはビクビクする。1人の時ってちょっとしたことでも怖くならない?そろそろ疲れたからキャンドルの火を消してベッドに横たわるの。天井を見つめぼーっとして、暑いから服は全部脱いで寝るの。誰もいない、わたしだけの部屋だもん。冷たいを追って何度も寝返りを打ち夢の中へ。目覚めるともう14時だし。なんか全部が面倒だし。友達と会うのも怠いし。何もしない1日の罪悪感に押しつぶされそうになりながら、また布団に潜り込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死場所探してて三千里

死にたいって思った時に己が背負っている責任を放り出せない、なんとも世知辛い世の中でござりんす。あ、死のう。いいや今死んじゃお。がどんどん増えていって、いつでも死ねるのだけれど、わたし大人だからさ、残される子どものことを考えると行動に移せないんだよね。それでもこの気持ちを落ち着かせたくて、正確には煽りたいのかなんなのかわからないけれど闇雲に歩いて歩いて歩いて。こんな日に限って東京は静かで、わたしの足音以外なに聞こえなくて。広い道路にわたし1人。ここは本当に人口1400万人もいる東京?ほんとに東京?だって、だってね、いつもは車だってうるさいし、酔っ払いもうるさいの。騒音を求めて飛び出したここは、静寂しかなく、わたしはぬるい空気を掻き分けながら、ひたすら進む。その先に目的なんてないのだけれど、立ち止まるよりも時がはやく動くような気がしてたまらないの。はやく過ぎて、そうしたらわたしも、もうちょっと深く息が吸えるようになると思うんだ。800メートルほど歩き、前髪がおでこに張り付くくらいには汗をかき、なんだか途端にバカらしくなってふふって声が漏れたのだけれど、同じように目からは涙が二つぶ溢れ、もう帰ろうと振り返りまた進むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選ばない、選んでいたかもな未来

選択肢なんて腐る程あった。どうにでもなった。ただ、選ばなかっただけ。こちらを選んでいたらと思い返すいくつかの道に思いを馳せるのも、お酒がまわった時にはいいんしゃない?24才のわたしなら、しつこく差し出された手を取り一人暮らしを始める。もしかしたらなし崩しに白金高輪の家に住んでいたのかもしれない。仕事をしながら視界に入る彼を横目で追い、仕事終わりには一緒に六本木か麻布十番のあのお店で食事して、細い目を更に細くさせていたのかもしれない。真剣に付き合いたがっていた彼に合わせて、結婚も考えたかもしれない。これは現実だけれど、どんなに会わないようにしても、電車の中、関係のない街で会ってしまうから、少しだけ運命も感じたかもしれない。ほんの少しね。わたしの事をオフィシャルにしたかった年上の顔が薄いあなたと、手の平で転がして楽しんで、気晴らししていた当時のわたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前の山下公園にいたあの頃のわたし

どんなに近くにいて肌を重ねても違くて、噛めば噛むほど味がしないガム。吐き出せばいいのに、口が寂しいから味がしないのに噛み続ける。そのうち本当に気持ち悪くなってしまって吐き出したの。でも靴底にひっついて、しつこいしつこいガム。見えないところで転がって、他の人の靴にへばりついて欲しいのに、わたしじゃなきゃダメなんだって。捨てても捨ててもしがみついて、警察のお世話になろうかとも思ったけれど、手練手管でゴミ箱へ。蓋がついた出てこれないゴミ箱だよ。さようなら、永遠に