二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

24歳の記憶。その2

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ああ、仕事中泣いちゃったな。しかもお客さんに見られたとか情けない。恥ずかしい埋まりたいよおー、ってそんな事考えながらあの日から数日経っていた。お昼休み。12階から2階の広場へ向かう。そこはキッチンカーがいくつあり、私はたまにお弁当を買ってオフィスで食事していたの。エレベーターを降りると彼がいて、あの、ランチ一緒に出来ませんか?もちろんご馳走します。と。私は結構です。といい、いつものキッチンカーの列に並んだ。彼は私の後をついてきて、私の後ろに並んだ。もしかして、ついてきてます?いえ、俺もこれ食べたいんです。彼はそう言って笑った。でも、せっかくなのでご馳走します。好きなお弁当選んでください。といい、断る私を無視して私のお弁当と彼のお弁当代をまとめて支払おうと、店員の女性に1万円差し出した。店員の彼女は、お釣りがないので1万円札でのお支払いは出来ません。と、少し苛立ちながら答えたの。え!あ、どうしよう。細かいのがない。と、うろたえていたので私が二人分支払った。かっこつけようと思いましたが失敗しました。お金、後で返したいので連絡先教えてください。とにやりと笑った。いいです。そのお弁当あげます。と私は答え、オフィスへ戻った。お弁当を食べながら、私は先ほどのやり取りを思い出し、少し笑えた。あの人、面白いなって。お昼休みも終わり受付で仕事していると彼は受付の前をうろうろしていて、同僚がいなくなるのを待っていた。それがわざとらしくて、なんなんだろうこの人。私はまた面白くなってしまった。私よりも年上なのに、かわいいってそこで初めて思った。