二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

久しぶりの外食、美容室。少しずつ日時を取り戻す私の週末の話です。

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オーダー表を受け取った店主が大きな声で笑ったものだから、私は驚いた。「来ました、かあー、店やってて初めてだよ。ありがとね!」そう、ここのお店は注文するものは全て各自テーブルにあるオーダー表に書くのだけれど、入店とともに頼んだ瓶ビールは既に来ていたものだから、迷った末、矢印で欄外に、もう来ました。と書き加えたのだった。久しぶりの外食。決して小洒落てはいない年季の入った店内だ。しかしそれが良い味を出していて、もちろん味も良い。床には肉の油が染み付いてところどころ黒い箇所があるけれど不潔ではない、私はこういったお店が好きなのである。高校生のアルバイトを見ていると自分の学生時代を思い出す。私も焼肉店で働き、汗だくになりながら七輪を運んでいたなと、東京で10年以上前の北海道での日々を思い出すのです。斜め前のご夫婦は、どうやら彼のご両親らしい。これもまた懐かしいの。

家族が飲食店で働いている自分を見にくる。嬉しいような照れくさいような、そんな若き日のことを思い出しながら飲む瓶ビールはいつもより苦く感じた。テレビの画面と全く噛み合わない店内の音楽のせいか、コロナ明けで高揚している自分のせいか、多すぎるカットレモンを消費しようと進む焼酎のせいか、恐らくその全てが当てはまるのだけれど、酔った。最近は薄化粧の為頬が赤く目立つ。おかめ納豆のような顔が恥ずかしく、お手洗いでこれでもか!と、ファンデーションを塗りたくる。血の気のなくなった粉っぽい私の顔は不自然だ。こうやって日常に戻るのかしら?東京の感染者は47人、とニュースで見たけれど、このまま外食していても良いのかな?とか、色々なことを考え思い返す今。ソファに寝転がりお腹にオランウータンのぬいぐるみを乗せ、薄暗い部屋でちびまる子ちゃんを横目で見る。はい、まるちゃんに集中します。おしまい。