二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

大きな胸で得したことない。声を大にして言いたい。

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ほのかに赤く染まりてらてらと照り返すその身はなんとも艶やかで、崩れ落ちそうに脆く、なんとも美しいのです。はやく舌の上に乗せたい衝動とは裏腹に、ずーっと眺めていたいとも、思うのです。蟹です。

これは旅の終わりの話で、新幹線に揺られ眠気と、酒の合間に思い出す、私の話なのです。ソファに横になり目を瞑り天井を見上げると、閉じた瞼から感じる光はいつものそれとは少し違い、愛おしく感じるのです。眩しい。ここで今日の出来事を思い返します。いつものように寝ぼけながらも死ぬ気で歯を磨き顔を塗りたくって出来上がった年相応の顔で、駅まで競歩並みに歩き、今日の敵は歩くのが遅いくせに横並びで手をぶんぶん振り回している恋人たちです。抜かそうにも抜かせない距離感幅感であります。そこへまるでステップを踏んでいるかのような身のこなしの私が、入り込みます。恋人たちの間ではありません。前に回り込みました。次のライバルはおっさんです。軽く抜かすことができました。


さあ、この続きはまた今度にして、まだ飲みかけで任務終了ま、