二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

浮舟

イヤホンをしたのはいつぶりだろう。こんな贅沢があったのか。目を閉じるともっと贅沢な時間が流れる。毎日あっという間に終わるじゃない?こうして音楽を聴くだけの時間って、今のわたしには無いのよ。作らなきゃないの。前のわたしなら作らなくてもあったのね。今この時だけが、わたしだけの時間なの。チカチカ、遠くでクリスマスツリーの電飾が光るの。この音楽のリズムにはあっていないのだけれど、チカチカ、悪くない。ああ、今日も生きてたなー。料理して育児してお散歩して掃除して、お風呂入ってご飯作って、今、わたしの横にかわいいかわいいがいる。なんて、幸せな土曜日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馴染む視界

午前一時。皿を数え続けるお岩さんのような右目が熱を持ちじわじわと私を攻撃する。右側だけ別人の風貌になった私の顔。まるで瞼にナメクジが張り付いているようだ。最後にナメクジを見たのはいつだろう。きっと思い出せないくらい昔なの。だってね、記憶を掘り起こすと塩かけてるもの。子供とはなんて無邪気で残酷なのだろう。けれど子供の私がナメクジに塩をかけると縮むなど知るはずもなく、この残酷な行為はいたずらな大人が教えたのだろう。祖父なのか母なのか、はたまた年上の従兄弟なのか。どうでもいいのだけれど。花火の火花を毛虫にむけたり、アリの巣に洗剤をかけたり。頭の片隅に残っていた私の記憶は、ものもらいで不細工になった自分自身の顔を見て呼び起こされた。記憶って面白い。都合よく書き換える事も出来ちゃうんだから。一番古い記憶ってなんだろうと考える。ああ、あれだ。保育園の園庭で遊んでいる時、お友達がうんちをしたいと言うものだから、トイレに行こうと伝えると、我慢できないからここですると物陰に隠れて穴を掘り用を足し、お尻を拭く物がないと言うのだ。友達思いな私は落ち葉をかき集め、彼女に渡したの。お尻は見事に落ち葉だらけ。そんないらん記憶だって残している。うん、やっぱり脳って凄いよ。それにしても、そんなしょうもない記憶ばかり残している私はなんなんだ。

 

 

キッチンドランカー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴミや、お前はゴミなんや

物騒なタイトルだけれどそこに意味なんてない。しょうがないじゃん頭に浮かんできたんだもん。それにしても物騒だわ。水分の多くなった目でソファに腰掛ける。肩で息をしている。結構アルコールが回っているのだろう。いま、ちょっと気持ちいいです。ごめん違う。鼻が詰まっている。酔うとね、ちょっと鼻詰まって鼻呼吸しにくくなるの。まあ一時的なものだけれど。今の気分は音の無い世界で、テレビも消して音楽もかけずにうだうだしているの。音の無い世界と言ってみたものの、エアコンが温風を運ぶ、ごおごおとした音が耳に入る。わたしのお腹もきゅるんと鳴いた。音と匂い、どちらが記憶をより掻き乱すのだろう。この時期の音楽。うーん。この時期というより、音はその年により変わる気がする。中学生の頃の後と大学の頃の音って違う。でも匂いって変わらない。寒いのに窓を開けた時の最初の外の匂い、暖房をつけた時のガスの匂い、紅葉が散る山の匂い。これって毎年感じるもの。わたしの記憶は音よりも匂いの方が優れているみたい。

 

 

くんくん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰の腕枕だって同じだからいらない

腕枕とは男性の承認欲求でありされる側の女は全然気持ちよくない。わたしは優しいから腕枕させての一言には本人の希望に寄り添ってあげるのだけれど、ゴタゴタしている男の腕よりもふかふかな枕が好きなのだ。数分は付き合うけれど居心地が悪いから男の腕の上に枕を置く。それをした時、ちょ、Rちゃんって高枕なんだねって言われた懇ろになったバーテンダーに。めちゃくちゃ面白くない?高枕って。大奥かよ。知らない人は是非高枕をググって欲しい。兎にも角にも腕枕って好きじゃない。そんなわたしが最近揺さぶられた話をしたいのね。わたしの赤ちゃんは甘えん坊で(どの赤ちゃんも甘えん坊だ)ごろんと横たわるわたしの横でふにゃふにゃ声をだし顔を擦り付けたり指を舐めたりしていたのだけれど、よほど眠たかったのかうつ伏せになっているわたしの肩あたりに顔を押し付けながら眠りについたのね。これでも十分可愛いのだけれど、その数十分後赤ちゃんがふにゃああ〜と泣きながら起きて寝ぼけながらハイハイをしたの。わたしは体制を変え、仰向けになり大の字でいたのだけれど、赤ちゃんはわたしの腕目掛けてハイハイし、二の腕にちょこんと頭を乗せて寝たのね。なにこれめちゃくちゃかわいい。寝起きで泣いているのにわたしの腕に頭を乗せた瞬間寝たの。ええー、かわいくてかわいくて、ぐぬぬ!と声が漏れそうになったのよ、わたし。そこで冒頭の腕枕問題に戻る。そうか、腕枕したがっていた男達は、腕に頭を乗せたわたしをこんな風にかわいいと感じ幸せに満ち溢れていたのかもしれない。知らんけど。わたしは腕枕してみてとても満ち足りたって、そんなお話でした。

 

 

7パーセントのお酒に飲まれている筆者より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぺろり

顔が熱い。この時間帯はいつもそう。身体がアルコールに侵食され指先は赤くなっている。目ににじむ涙。エアコンで涼しいはずの部屋は、わたしから発せられる熱で気温が上がっているようにも思えて。人間の本質ってなんだろう。例えばわたし。酒に酔っている今の自分が本物なのか、シラフの自分が本物なのか。酒という合法薬物の解釈にもよるでしょう。あの人は酒癖が悪いって言葉、みんなよく使うでしょう?それって本来の自分が出てしまっただけなのか、アルコールが作った悪意の自分なのか。答えは出ないまま。誰にもわからないの自分にも。でもそれもいいじゃん?めちゃくちゃ人間って感じがするじゃない。すき。そーゆうの。でも自分が被害を被った瞬間から嫌いになるのね。それも人間らしいじゃん?すきすき。記憶を無くすのも悪くない。考えられない自分に代わって、身体が導いた答えじゃん。神秘よしんぴ。にゃお〜ん



















ボーナスは辞めさせない呪いの

聞きたいのでしょう?75万円なり〜。でも色々あり半分は持ってかれる。厳しい〜生きるって厳しい〜。生きてるだけでお金は請求されるのに、働いたお金もどんどん持ってかれるよ。わたしなんてこんな額だけれど、もっと稼いでいる人はもっともっと引かれるわけで、そのお金で医療インフラその他もろもろ生活してるのね。お金持ち、ありがとうございます。それなのに文句を言う庶民のわたしです。わたしね、好きなことを仕事にするって考えはあまり好きじゃなくて、それって、好きなことを仕事にしている人をけなすとかではなくて、わたしにとって仕事って生活なの。仕事以外の時間をいかに美しく過ごせるか。それしか考えていないの。何故今の仕事を選んだかというと、とても向いているとお世話になった人に言われたから。自分でも思った。ここでならわたしの力が発揮できる。そして、生活するのに困らない対価も得られる。趣味を仕事にするの、わたしは好きなことが減るみたいで、つまらないと感じるの。余暇を楽しみたいの。通勤電車では仕事終わりに何を飲もうか、つまみはどうしようか。頭の中はそんなことばかり。お金が発生している以上仕事は責任を持ってやる。定時で絶対に帰りたいから、効率よくtodoをこなす。1日の始まりはパソコンにやるべきことを優先順位順に付箋に書き、右側に貼るのね。処理するごとに付箋を外し2枚に破り、ゴミ箱に捨てコーヒーを飲む。こんな感じ。よし寝る〜































東京、35度

薄暗い部屋で冷たい風にあたっているわたしとは遠い世界のようで、でもこの世界にわたしはいて、外に出るか出ないかでここまで違う。外が暑い時、涼しい部屋でタオルケットにくるまるのが好き。ベッド横のサイドテーブルにはストローを刺した缶チューハイ。わたしってやつはつくづく動きたくないのである。寝入るか寝入らないかのもやっとした空気の中で過ごす時間はとても尊いのです。この有意義な時間に涼しい風とアルコールが欠かせないってこと。いいじゃんいいじゃん。息吸って、納税しているだけで偉いじゃない。今夜のわたしは、めろめろに自身を甘やかしたいのだ。告白します。今夜こってりラーメンを食べました。化学調味料たっぷりです。でも許してね、一口しか食べていないから(本当は二口食べた)そんなこんなで忙しいながらも生きてるのよ。となりの小さな紅葉に手を這わす。幸せな夜だ。