二日酔いと貧血と共に

キッチンドランカー東京OL(常に貧血)

24才の私。

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受付で泣いていた私を食事に誘い続けた彼と、仕事を辞めるのを機に食事に行った。最後だしいいかって。彼が選んだお店は麻布十番の隠れ家レストラン。食事中なにかの会話で私は予防線を張った。彼氏が〜でと話した。彼は私に交際相手がいるかいないか探っていた。なんだ、どうしても仲良くなりたいのに、彼氏いるのかよって。冗談めいていたから私もその後話しやすかった。店を出ると彼は左手を差し出してきて、はい、と私の右手の前から動かさない。私は、そーゆうのしないので。と、彼の左手を受け入れなかった。そのまま駅まで歩くのだけれど、何度無視しても左手を視界に差し出してくるのだ。申し訳なくなり私も、少しだけならと手を握るのを許してしまったのだ。歩けば歩くほど先程のワインが回り、駅への帰り道は六本木散歩に変わった。夜景を見ながら少し休む。手は繋いだまま。そんな草食動物みたいな顔して、強引に手を繋いでここまで連れてくるんだねって私が言うと、彼はキスしてきた。

顔が赤いねって言うと、年下に舐められたくないからねって抱き寄せられた。頑張んなくていいよ、似合わないからって伝えて、私は今自暴自棄で、キスした相手があなたでもあなたじゃなくてもとうでもよくて、すべてはお酒のせいと。するとホテルに行こうと誘われた。私は、いいけどホテルに今行くなら一生会わない。行かないならまた会うかもしれない。100パーセント都合の良い人になれる自信がある?と聞いたら、ならないって。すごいホテル行きたいけど真剣に付き合いたいんだちきしょう!誘えないじゃないか!って笑って言われた。都合の良い相手にはならない。真剣に付き合いたいから気がないなら振ってくれと。そんなこと言われたら彼に興味が湧いて、そーゆう気持ちが久しぶりで嬉しかった。大抵の人は言った通り動いていたから、反論されるのが新鮮で、彼は私の興味の対象になったの。連絡先消さないから、あなたから連絡はしないでねと伝えると彼は、うん、連絡もらえるの待ってるよって嬉しそうに笑ったの。

私は初めて自分の駒にならない男に出会って、面白かったんだよね。その時