コロナコロナってビールじゃないんだからよおおっ！

昔は仕事帰りに先輩たちと飲んで、ぷしゅー！お、おいしいいい！ってビール流し込んで感動したり、10人くらいで集まって狭い掘りごたつの席に押し込められてテーブルに頭打つけながら寝てる人がいたり。あの日常が戻る日は多分、数年は来ない。悲しいけど、同じように出来ないのが寂しいけれど、身内に感染者もいないし、仕事を失ったわけでもなくて、私はきっと恵まれている方なのだろう。明日の食べ物にも困らず、家賃の心配もせず、今だって暖かい部屋でビールを飲んでいる。変わった事もたくさんあるけれど、変わらない日常もあってそれの一つ一つが物凄い事で奇跡なのかもって。会社が倒産して家賃も払えなくて泣く泣く実家に帰っていた未来もあるかもしれない。少しぬるくなった缶ビールの側面には丸い水滴がぽつぽつ出来て、その下には水溜りができている。そこに指を這わせ文字を書いてみた。テーブルは水を弾いてそれを許してくれなかったんだ。特に意味はないし緊急の連絡が来るわけでもないのだけれど、iPhoneを片手にトイレにこもる。閉所恐怖症の私でもたまに、こうして家の中の1番狭い空間で考え事をしたい時がある。散々考え事をしてトイレを出る。夫は心配そうに湯たんぽを持って私を出迎えた。私はお腹が痛いふりをして、湯たんぽを受け取りベッドでまた色々と考えるの。寝たふりしながら。