目を閉じて感じたのは味だった。長い苦い味
私は大抵眠っていて、睡眠時間が長くなると、こっちの世界が本当なんじゃないかと考える。この曖昧でもやもやした気持ちいい世界は残念ながら私の世界ではないのだが、これを本当の世界と考えるとちょっと、ちょっとね、楽になるの。だって現実は狡さといらやしさに溢れていて、疲れるでしょう?たまにはいいよね。東京の8月は暑い。エアコンを22度に設定し、ソファで眠ってしまった。寒くて目覚め、エアコンを消してまた眠る。次は蒸し暑くて目覚める。額に張り付いた前髪が、どらくらい暑かったのかを物語る。私は冷蔵庫で冷えたジャスミン茶を一口だけ口に含み、また眠るの。今度はエアコン、つけないの。